TJ.Famの日常 ニューオーリンズ編

2009年チェコ→2011年ドイツ→2015年日本→2020年アメリカと3か国目の駐在生活。TJ.Famの日常を綴ります。

New Orleans に来て早速、病院へ ~自動販売機が生んだ感動 編~

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出入口から見た夕焼け 次男作


2階にもう一度確実に戻ってこれることを確認し、1階へ。自販機、発見!でも、その前にトイレに行って、それから買って、外へと、とキョロキョロしていたら、受付の黒人のお兄さんがやってきた。

 

お兄さん「今はいってきたのか?」

わたし「いえ、上から来ました。自販機で食べ物を買いたいのだけれど、その前に、向こうのトイレへ行かせてほしいのだけれど、それから外へ。」

お兄さん"No! あのトイレへは行けない。トイレへ行くなら、さっきの2階で済ませてからしかできない。"

わたし(…ああ、コロナ対策なのか、緊急病院だからなのか知らないけれど、ちょっとの事なのに…。仕方ない。食べさせてから2階で行こう。)

 

初、自動販売機。 Ω\ζ°)チーン

分からない…。どこに何を入れるのか、どうやったら買えるのか。アメリカはキャッシュレスが進んでいてスーパーマーケットでもほとんどがカードでの買い物である。キャッシュで払うのはカードが持てない人という目で見られたりするという話も聞いた。どうやら、クレジットカードとキャッシュとどっちでも支払いが出来るようだ。カードは持っているけれど、こちらではまだ使ったことがない。その上、いきなり、自販機で使うのは、凄い不安。取り敢えず、キャッシュで試そう。けど、どこに入れるのか…。先払いか、後払いか…。

次男がお菓子を指さす。夕飯なのだから、と、たしなめ、取り敢えずサンドイッチのボタンを押してみる。3ドルと電光掲示板に表示された。ここまではいい感じ。でも、どこに入れるのか、やはりよく分からない。

面倒くさそうにしている受付のお兄さんに、しぶしぶ、尋ねる。

 

お兄さん「どれが欲しいんだ。これか。3ドルだよ。」

お財布を開けると、1ドル札2枚。あとは20ドル札。財布の中身を見せる。

お兄さん「足りないのか?」

クシャクシャになった1ドル札を差し出して、どうやら、くれようとしている。

わたし「いやいや、そんな多分コインもあるし、コインでも大丈夫なのよね?」と言って、コインを見せてみる。

お兄さん「なんだ、あるじゃないか、そうだ、それ入れればいい。」

 

的なやりとりをした後に、いざ、試してみる。

嫌な予感…。

1ドル札2枚入れ、その後、よくわからないまま、大きいコインから入れていく。

2ドル60セント。 Ω\ζ°)チーン

駄目元で20ドル札を入れてみるも、戻ってきてしまう。

(ダメだ、カードで試そう。)

返金ボタンらしきものを、ガッチャンと押してみる。 Ω\ζ°)チーン

出た、海外あるある…。はい、戻って来ません。仕方ない。気をとり直しカードで試す。スキャンするらしい。どっち向き?あれこれ試す。何度やっても、"invarid"の文字が。

 

泣く泣く、お兄さんに3度目のお尋ね。

 

わたし「あのー、お金入れたんだけど、出てこなくって、それはいいんです。けれど、カードも使えないんです…。」

お兄さん「(ガチャガチャと返金ボタンを押した後、首を横に振り)No..」

クシャクシャの1ドル札をもう一度ポケットから取り出して、(ああ、さっきこれあげればよかったな、ごめんよ。)的なニュアンスで頭を垂れる。

お兄さん「あ、でも、カードもっているじゃないか。これつかえよ。」

 

何度も試してくれたけれど、結局、使えず。

 

わたし「20ドル札ってつかえないよね…。」

お兄さん「No,でも、うえに行けばだれか両替してくれるかも。」

わたし「え?だれかってだれが??」

お兄さん「車乗ってきてないのか?車で外でればいいじゃないか。」

わたし「いや、実は日本から来たばっかりで、दानdānaしか車を運転できないし、दानdānaは、今、2階で長男の付き添いで。CT撮るまでに2時間待ち。次男はお腹が空いたと言ってて、わたしは、何も持っていないの…。」

 

もう、お手上げである。どうすればいいのか。すると、あれだけ面倒くさそうだった

お兄さん"Wait,wait!!!"

自分の夜勤用に買っていたお弁当の袋からバナナとジュースを分けてくれた。

神である。もはや、お互いに言葉はよく分からないけれど、困っていることだけは伝わり、はっきりと何をどんなニュアンスで言ってくれているのかも分からないけれど、食べ物を分け与えてくれた。なんだか、原人、いや、それよりも前のサル、ゴリラになったような気分である。

 

失った2ドル60セント。でも、それ以上のものを頂いた。有難う、あの時のお兄さん。

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次男のメモ

To be continued

#言葉ではなく伝わるもの