Excuse us!
エクスキューズミーしか使った事なかったけど、エクスキューズアスっていう言い方もあるんだ…丸暗記型の英語に凝り固まっている頭をほぐさねば。
ブログが滞っていた。その分、リアルの生活が少し動き出し、一人さみしくPCに向かう余裕もなくなりつつあるということだろうか。
あとで振り返るのに役立つし、自分自身の整理のためにも、記録として書き続けていこう。PCに割く時間が失われつつある状況。これまでよりもう少し簡単に。
今日で渡米52日目。今日はコロンバス・デー(Columbus Day)という祝日だ。そう、528年前の今日。アメリカ大陸に到着したイタリア人の奴隷商人クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を発見した日だ。コロンブスっていう名前で日本では馴染んでいたけど、こちらではコロンバスってみんな、発音している。綴りも”bus”だから、バスって方が正しいのかな。
記念すべき日なのか、そうでないのか、捉え方が様々であるのが、無関係である私にとっては少し興味深く、アメリカという国の成り立ちの特殊性について考えさせられる。
コロンバス・デーにあやかり、今日は、私にとっては運転記念日。
そう、初めてदान、dāna君を乗せずに、時速35マイル道路を運転し、車線変更、数回の右折をし、最寄ではないスーパーマーケットまで運転してきた。子供達が休みだったので、助手席には、長男を後ろ座席には次男を乗せて。
1マイル1.6キロなので、時速35マイル道路というのは、時速56キロ道路。日本で練習していた首都圏を走る環状八号線(環八)が法定速度60キロ。
ここ1カ月間、細々と運転の練習をしていた。駐在がほぼ決まった年明けから、日本ではペーパードライバー講習を十数回受けてみた。けれど、コロナの流行期と重なり、教習所もクローズドに。まだ自信が持てない中で、こちらに来た。
周囲からは、アメリカと日本とでは道路の広さも、右側通行左側通行も真逆だし、日本で運転できてない方がむしろ右左間違えないからやれるよ、と言われて、それを信じてやってきた。
しかし、到着直後は、心の中で(みんなのうそつきーーーーー!!!)と叫んでいた。
アメリカ人の荒い運転に、想像していたよりも、そんなに広くない道幅。スピードも、日本の一般道よりも全然早い。
(ぜったいに、むりだ・・・)
そう思っていたけれど、道路で歩行者を見かけることがないし、実用で自転車を乗っている人も見ない。バスは走っているけれど、バス停までがほど遠く、かつ、見るからに危険。
(アメリカは本当に車社会なんだなぁ・・・)
車に乗れなければ、買い物も行けず、子供の学校の送迎も出来ず、万が一の時に救急車もタクシーも来てくれないような事態になったら、お手上げだ。
(仕方ない、再び、みんなの言葉を信じて、練習しよう。)
周囲のドライバーが口を揃えて言う名台詞。第1位。
「運転は慣れだから。」
まずは、その言葉を信じて行動に移すところから。
そもそも、私は本当に乗り物が苦手で、揺れとスピードが大嫌い。車の運転に関しては、横から出てくる車や、自転車、歩行者を想像しては、恐怖で思わずブレーキを踏んでしまったり、ハンドルを動かしてしまう。多分、類を見ない、酷いペーパードライバーだった。この私が公道を一人で運転してしまう、日が来るなんて。
初日・・・दान、dāna君に助手席に乗ってもらい、アパートの目の前にある、駐車場をぐるぐると、基礎運転の確認。
翌日から1週間・・・दान、dāna君に助手席に乗ってもらい、住宅街の20マイル道路(時速32キロ道路)を運転。道路に慣れる。メリハリの利かない運転で、歩行者から、不審な目で見られる。
2週間目・・・一人で住宅街の20マイル道路(時速32キロ道路)を運転し、20マイル道路独り立ち。右折の内輪差&左に膨らまない練習。アクセル、ブレーキの感覚を取り戻す。
3週目・・・一人で徒歩圏内のスーパーマーケットへ車で。駐車&車社会における他人との関係を学ぶ。サイドブレーキを解除しないまま、車をバックさせ、ヒヤリハットを経験。初めての駐車場を逆走。周囲に怪訝な目でにらまれる。"What???"のジェスチャーをされたり、横から、すごい勢いでギリギリに抜かされたり、、この3週間で、かなり、心が折れる。
この週に、アメリカの運転事情をA姫から講義してもらう。
4週目・・・相変わらず、平日は3週目と同じ。週末だけ、दान、dāna君に助手席に乗ってもらい、子供の通う学校まで往復する練習。計8回。少しずつ、スピードになれ、40マイル道路(時速64キロ道路)で、35マイル出せるように。この週、40マイル道路を25マイルで走行する、私以上にノロイ、ご老人が運転する車の後続に。いつブレーキを踏まれるか、ヒヤヒヤして運転し辛いことを経験。
先週末・・・दान、dāna君に助手席に乗ってもらい、いつものように子供の通う学校への往復+その周辺のお店まで寄り道して帰宅。この時初めて、片側3車線ある45マイル道路(時速72キロ道路)を経験。40マイルを出せるように。
今日・・・子供の通う学校の途中にあるスーパーマーケットまで子供達と3人で往復。
結論から言えば、「運転は慣れだから。」は、正しかった。少しずつ、自分のやれる範囲を何度もくり返し、少し、挑戦。そのくり返し。
けれど、もっとも自信が付いたのが、A姫から教わったアメリカの運転事情だったように思う。
A姫曰く、「日本のような教習所はなく、みんな自己流で運転の練習をして試験だけを受けるシステムになっているから、日本のような決まった運転方法があるわけではない。全て自己責任だから、別にゆっくり走ろうが、遅いと思ったら遅いと思った方が抜かせばいいんだし、事故さえ起こさなければ、自分で自分を守ることだけが重要。他人にクラクション鳴らされようと、遅いと思われようと、とにかく気にしない、こと。 運転は無理することじゃないから。慣れです。」
目から鱗だった。
日本の教習所では、「安全運転だけでなく、通行の流れを妨げないスムーズな運転が大事なこと」と言われてきた。周囲の中に自分があり、全体が流れていれば、そこに安全がある、と。
改めて考え方の違いに驚愕した。
確かに、車をよく見ていると、フラフラとしている車。ずっとウィンカーを出しっぱなしの車。ご老人である。高校生までが学校の通学に車を運転する。様々な人が、交通ルールはあるけれど、自己流の運転方法で運転をするアメリカ。一方、画一的な運転方法を学び、秩序の中で秩序を乱さぬように運転を強いられる日本の運転。
考え方の違いを知り、助手席でदान、dāna君のいう「もっと、アクセル踏んで!」に対しても動じなくなった。
「わたしはわたし。運転は無理することではない。いまの自分には制御きかないスピードにまであげるのは、無理。」
秋めく空を飛ぶトンボにすら追い抜かれていた私が、もう、追い抜かれなくなった。
まだまだ課題は山積みだが、何事も、little stepで、前進していこう。