はー、あーゆ?
返事は、"good." "Thank you"は、ここでは要らない。
お腹も満たされ、トイレにも行き、ブランケット代わりのシーツもゲットし、さ!もう、待機態勢完備!どっと、疲れた。暫く、茫然とする私の横で、ずっとスプラチューンやら集森(あつまれ動物の森の略)の話をしてくれる。次男の無邪気さでアメリカでの第一歩をどうやら踏み出した私。
確かに、私以外の男子3人はこれから毎日アメリカ人の中で格闘するのだ。既に、 दान、dānaと次男は会社、学校が始まり、格闘している。長男も登校はまだにせよ、心の中で既に心の準備を始めていたのだろう。それぞれに戦っていたのだ。ストレスもあったのかな。これまで経験したことのない時差。何回もの乗り換え。コロナ不安。思春期という心と身体が大きく変化するタイミング。日本人が全くおらず、今まで見たことのない黒人、白人、ヒスパニック系、などなど、日本人以外の人種に聞いたことのない言葉。
22時を過ぎ、次男が再び眠りに入る。
दान、dānaからのメール。「もうすぐ検査。腸内がよく映るように大量の溶剤を経口摂取中。念のため、コロナ検査もやった。吐き気止め、めまい止め、栄養剤の入った点滴をして本人は元気そう。」
(もし、虫垂炎だったら…コロナだったら…)
再び不安が押し寄せる。
飛行機の中でもそうだが、不安や恐怖があると、自ら忘れる、考えないようにする、ことが非常に苦手だ。気分の切り替えが昔から下手だ。忘れようとしても忘れられないならば、何故忘れられないのか、原因をトコトン考えて向き合うタイプ。
虫垂炎。電子辞書で原因、病状、治療法、を確認する。怖いことが沢山書いてある。これまでも、盲腸をやった(虫垂炎を患った)、という人の話を聞いたことはあるが、薬で飛ばせる、とか、元々、人間にとって不要な臓器だから、などという慰めを信じて、そんなに重い病いだとは思っていなかった。薬で飛ばす、などと言っても、合併症など、やはり、怖いことはある。腸閉塞、腹膜炎…。
(これは、今読むべきではなかったかな…。)少し後悔。
虫垂炎の症状は右下腹部が痛む、という典型的な症状も、病状が進行してからでないと気付かない、など、やはり、腹痛の判断は非常に難しい。家庭の医学でも、どこが痛いかを痛がるたびに触診していたのだが、ずっと、みぞおちから胃が痛いとばかり言っていたので、まさか、思いもかけなかった。下腹部も触診していたつもりだが、やはり、医者ではない。
22時半。検査に向かう途中の長男と दान、dānaが背後を通る。笑顔で元気そう。少し安心する。様子が見えない中、心配すること5時間半。
30分後。やっと検査結果も出て2人で登場。
日本では通常、胃カメラを飲むことが多いが、虫垂炎を疑われたから飲まずに済んだのか、アメリカだから診療方法が違うのか、子供だから負担が大きいと判断されたのか、CT検査だったようだ。細かく輪切りにされた画像と、血液検査、尿検査、コロナ検査から総合的に判断し、どれも陰性。異常なし。診断結果はストレスによる胃炎だろう、との事。家庭の医学と同じ診断結果。けれど、第三者の客観的な診断があるのとないのとでは本人に与える安心感も、家族に与える安心感も段違いだ。
家に着いたのは23時半。
長男「おなかが空いた~」、というので、医師の指示にあったBland diet(いわゆる回復食。刺激物や繊維を避けた消化に良いもの)に基づき、おかゆを食べて眠った。
健康である日常がいかにかけがえのないものであり、平凡な日常が最も幸せか。つくづく思う。平凡に飽きてつい、欲深くなりそうになる。けれど、男子3人を支えるために私はここにいる。黒子でいい。みんなが健康で日常が送れるならば。そう痛感する。
人生で初めてを沢山経験している長男。病院でも自我が芽生えてから初の血液検査、コロナ検査、CT検査。どれが一番辛かった?と聞いたら、コロナ検査だったそう。けれど、お世話になったERの医療従事者は毎日コロナ検査をしてから勤務するそう。コロナの最中、世界中の医療従事者に頭が下がる思いである。
Have a great one!
#健康が一番
#アメリカでCT検査
#アメリカでコロナ検査
#医療従事者に感謝